海外生産によるファストファッションが増えたり、外資系の企業が参入したりと、アパレル業界は激動の時代の真っただ中。
さらに、少子化などによる若者の減少、消費税増税などによる消費の不況が、ファッション業界に追い打ちをかけています。
そんな不況のアパレル業界で生き残るためには、「スキルアップができる資格」や「仕事の幅が広がる資格」を取得すると有利です。
この記事で具体的にご紹介します。
アパレル業界で働く人の必須の資格
アパレル業界で活躍したいなら、必ず持っていたい資格が「販売士(リテールマーケティング)」と「色彩検定」の2つです。
販売士
販売士(リテールマーケティング)は、流通業界で唯一の公的な資格。1~3級の階級があります。
ビジネスに関する知識や、接客スキルが学べるので、アパレル業界をはじめとしたサービス業や製造業など、幅広い分野で活躍できます。
1・2級は販売スキルやマネジメント職としての知識、マーケティング能力など、アパレルをはじめとした販売に関する広い知識が習得できます。
3級で学ぶことは就転職ではアピールできませんが、アパレルの仕事でも役に立つような基本的な知識が身に付きます。
販売のプロを目指すのであれば、まずは3級からスタートして、上級資格の取得を目指しましょう。
色彩検定
色彩検定は、「色彩の調和」や「配色イメージ」などを理論的に学べる検定です。
合格すると、ファッションデザインのセンスやコーディネートのスキルが磨かれます。色の組み合わせに苦手意識を持っているアパレル店員におすすめの資格です。
色彩検定は1~3級があるので、まずは3級からステップアップしていきましょう。
ちなみに、色の検定にはカラーコーディネーターもありますが、色彩検定の方がおすすめです。理由は、主催が色彩検定協会(旧:全国服飾教育者連合会)であるだけに、色彩理論に加えてファッション分野の出題傾向が強いからです。
アパレル業界でスキルアップができる資格
ファッションは服装だけではなく、メイクやヘアスタイル、アクセサリーなどをトータルにコーディネートするお仕事。
お客様の好みや雰囲気を理解し、さまざまな要素を適切に組み合わせて提案することが求められます。
時には、お金の流れを把握していたり、パソコンを使いこなすことも求められます。
ですので、スキルアップを目指すなら
の資格を取得することをおすすめします。
メイクアップ技術検定
メイクアップ技術検定は、「社団法人JMA」が定める正しいメイクの技術を習得するための資格です。
ファッションとあわせてメイクのアドバイスができると、アパレル業界でもかなり重宝される人材へと成長するでしょう。
資格のランクは4段階。3級ではベースメイクについて、2級ではフルメイクのポイントが学べます。
最難関の1級を目指す必要はありませんが、アパレルの販売員として活躍したいなら、3級は取得をしておきたいところ。
簿記検定
簿記の仕組みを知ると、ビジネスでもっとも大切な「お金の流れ」が理解できます。
アパレルと何の関係もないように思われがちですが、どんな業界や業種の人でも、お金の流れは知っておくべき知識です。
検定は1~4級までありますが、アパレルのビジネスで役に立つのは2級以上。実践で役に立つ簿記の知識を一通り理解していると認められます。
2級は独学でも取得ができますが、確実に合格を狙うなら、通信やスクールの利用も検討しましょう。
MOS
MOSとは、「マイクロ・オフィス・スペシャリスト」の略。ワードやエクセル、パワーポイントなどの操作の習熟度を認定する資格です。
アパレル業界でも、在庫やショップのホームページの管理、企画の資料作成など、パソコンを使用する場面は多々あります。
パソコンを使いこなせることは、現代社会で仕事をするうえで必須のスキル。企業の評価も高く、キャリアアップや就転職に役立つ資格です。
アパレル業界での仕事の幅を広げる資格
就職先によっては、取得をしておくと仕事の幅が広がる資格があります。
すべてのアパレル販売員に必要な資格ではありませんので、ご自身の目指す方向性を見極めて、資格の必要性を考えましょう。
TOEIC
日本だけではなく、世界90カ国で実施されている英語の能力テスト。企業がもっとも評価する資格の1つです。
海外生産によるファストファッションが増えたり、外資系の企業が参入しているアパレル業界でも注目を集めている資格です。
TOEICの最高得点は990点であり、ハイスコアを取るほど英語のコミュニケーションに優れていると評価されます。大学生の平均得点が400~500点なので、600点を目指しましょう。
試験はリスニングが中心。ハイスコアを取れば、外国人のお客様の対応ができることもアピールできます。
保育士
子ども服を専門に取り扱っていたり、一部の売り場で子ども服を取り扱うアパレルショップでは、保育士の資格が有利です。
保育士の資格を取得すると、子どもとの適切な接し方や、子どもの成長にあわせたファッションの提案ができるようになります。
また、資格を所有していると保育士として就職ができるので、仕事に困ることはありません。アパレル業界を引退した後に、保育業界にスムーズに就職をする武器としても使えます。
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ジュエリーコーディネーター
ジュエリーコーディネーターは、宝石の専門店で働く人に求められる資格。
ファッションにおいて重要な役割を持つジュエリーについて、豊富な商品知識や専門知識について学べます。
ジュエリーコーディネーターにも階級がありますが、アパレルの販売員であれば3級で十分。ジュエリーの市場、販売やコーディネートに関する知識が身に付き、お客様に的確に説明ができます。
ジュエリーに深く関わっているアパレルショップで勤めている人や、宝石に興味がある女性は、取得をすると仕事の幅が広がるでしょう。
まとめ
アパレル業界への就転職を考えている人や、今アパレル業界で働いてる人におすすめの資格は次の8つ。
よりアパレル業界に特化した「ファッションビジネス能力検定」や「ファッション販売能力検定」などもありますが、「販売士検定」や「色彩検定」の2つは必携。アパレル業界に限らず、幅広い業界と分野で通用します。
また、簿記やMOSなど、ビジネスで基本となる資格も役に立ちます。
外資系のアパレル企業で働くなら、TOEICでハイスコアを取得しておきましょう。会社から評価の高い資格です。
どの資格を取ろうか?と迷ったら、「販売士検定」から始めてみてくださいね。